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JIPWENの背景と目的

bookJIPWENは医学教育に従事している10大学によって2008年6月28日に設立されました。これらの大学はそれぞれ独自の多職種間協働医学教育を展開し、多くが文部科学省の“Good Practice”の認定と助成金を得ています。
このネットワークは多職種間協働医学教育の主要な事項を協議し複数の連携医学教育モデルを提供していくことを目標としています。ここ数年、多職種間協働教育に関心を持つ大学・研究所が多くなってきていますが、これから始めようとする大学がそのおかれている状況にあったモデルを採用調整していけるようにしたいと意図しています。
保健医療人材の不足を補うべく、日本のあちらこちらで人材育成の努力が盛んにおこなわれるようになってきました。しかし質の保証、向上に関してはまだ不十分な面があることは否めません。そこで、JIPWENは医学教育の中で多職種間協働医学教育を推進・強化することで医療現場での多職種間連携医療の効率化や質の向上を図ろうというものです。
JIPWENとしては学会を作る意図はありません。 JIPWENは医学教育に従事する専門家や日本の組織が、日本政府や国際組織と連携をとって学問的、政策的に活動を発展していくことができるように支援していきたいと思っています。

JIPWENの活動

1. IPEの先進的取り組みを英語で出版していきます。

bookJIPWENは英文によるIPE書籍の出版を予定しています。
書籍の出版準備は進行中で2009年末に発行予定です。

2.医療人材教育の品質保証と評価を強化していきます。

JIPWENの経験と業績は教育の質の保証に直結しています。WHOとJIPWENは質の高い医療人材を育成するためにJIPWENの教育内容を日本国内および国際的にも広げるよう協力していきます。

3.国際的な活動として協同会議やプロジェクトを実施していきます。

JIPWENシンポジウムは2009年6月に開催が予定されています。JIPWENは初期の計画段階よりWHOとGlobal Health Workforce Alliance(GHWA/世界医療人材連合)に議題や参加者(国)等について相談します。またシンポジウムにWHOを招待して保健医療人材の国際的経験について講演をしていただくよう依頼しています。さらに、JIPWENは、海外からの招待者の来日を利用して、彼らとともに日本の厚生労働省と文部科学省を訪れ意見を交わす機会を設定する予定です。これにより、JIPWENと保健医療人材の育成と運用を管轄する主要関係省庁との関係が強化されるものと期待されます。
他の学会として2011年のGHWAの世界フォーラムが含まれます。フォーラムでJIPWENはチーム医療教育やその他の緊急の人材課題におけて、論議を励起し指導的な役割を果たすものと期待されます。JIPWENの活動を世界に示す機会をもつことは大変意義深いことです。JIPWENはフォーラムのIPEセッションや他の重要な協議に積極的に関わっていきたいと思います。
JIPWENはGHWAメンバーとなりました。GHWAメンバーへ参画することで、JIPWENと世界を双方向性に繋げるパイプを持つことになり、JIPWENが世界に情報を発信することも容易になるとともに、世界的な活動を共有し人材育成分野の世界的発展の情報も自然に入ってくると期待されます。
JIPWENは、JIPWENメンバーの大学と発展途上国の教育機関との間のパートナーシップを促進していきます。パートナーシップにはいくつかの方法がありますが、それぞれの機関の受け入れ規模や財政状況などに基づいてパートナーシップ方法を選択決定することになります。WHOは必要な仲介を支援することを約束しました。

4. 連携教育に関連する他の組織やネットワークとIPE普及のために協力します。

JIPWENはJAIPE(Japan Association for Interprofessional Education、日本保健医療福祉連携教育学会)の主要なメンバーとして学会の活動を支えていきます。

5. 英語での論文作成によりIPEの先進的取り組みを普及させていきます。

JIPWENメンバーはWHOのHRHオンラインジャーナルに英文で投稿していきます。これは、JIPWENの業績を世界的に普及させていくのに必要なことです。群馬大学はIPEプログラムの評価に関する3つの論文を準備中です。
9年間の学生によるIPE後評価に関する検討
講義形式と実習形式によるIPE後評価の比較
学生の専攻別IPE達成度の評価-特に作業療法専攻学生について
群馬大学はこれらの論文をHRHオンラインジャーナルに投稿する予定です。JIPWENの他のメンバーからも論文が投稿されると期待されます。

6.日本政府との連携をめざします。

JIPWENは連携教育の意義や方法論、経験、成果について政府と話し合いをしていきます。また連携教育に携わる専門家や組織と日本政府、特に文部科学省と厚生労働省、との連携や協議の仲立ちをしていければと思っています。